Bill Evans『Intermodulation』レビュー

Kenny Burrellの記事ではJim Hallのギターが好きではないと書きましたが、改めてエバンスとの共演『Intermodulation』を聴き直しました。そしてこのアルバムに関してはJim Hallのギターでないと駄目なんだと理解しました。1966年リリースのアルバムで私が好きなKenny Burrellもこの時期の録音が最高です。

エバンスのピアノはエッジの効いたピアノではなく、どちらかというととろける様な音色なので音に厚みがあってシビアでないタッチのギターが合うのでしょう。

『Intermodulation』は直訳すると相互変調という意味です。アルバムタイトルとは裏腹に高度に調和していて退屈しません。ピアノとギターだけのアルバムなのに。

収録曲
  1. アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン
  2. マイ・マンズ・ゴーン・ナウ
  3. ターン・アウト・ザ・スターズ
  4. エンジェル・フェイス
  5. ジャズ・サンバ
  6. オール・アクロス・ザ・シティ

3曲目の『ターン・アウト・ザ・スターズ』はギターがリードしていると思っていたら、途中からピアノが表に出てきたりと技術とアートの融合。心を落ち着けたいときに是非聴いて欲しいアルバムになりました。

『Moon Beams』では途中からマンネリ化してきますが、意外にもこのアルバムにはそれがありません。マイルスが『Kind Of Blue』で脱退したばかりのBill Evansを呼び戻しての録音をしたのも納得です。レッド・ガーランドのピアノのような和音外音(和音の積み重ねから外れた音の構成)はエバンスは使いませんが、太くも無く細くもない悲しくも美しい音色のピアノに魅了されるばかりです。

Jim Hallのギターがリードに行ったりバッキングに行ったりと複雑に入れ替わるところにこのアルバムを特異なものにしているのでしょう。

この記事を書いた人

ogoe 男性

福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。

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