Kenny Burrellと言ったらジャズギターリストであってブルースマンではありません。しかしブルースフィーリングの曲が多いためブルース好きにもおススメのアーティスト。1950年代から活躍し1960年代が最盛期ではないでしょうか。
Kenny Burrellの名盤と言えば一番に『MIDNIGHT BLUE』を挙げる人が多いと思います。少し私には派手な感じのするアルバムなので除外しました。別に悪いアルバムではありません。好みの問題です。シビアで重い感じの曲が私は好きなのでその観点からチョイスしました。マイルスやコルトレーン、エバンスだけがジャズではありません。
ビル・エバンスと共演したジム・ホールよりもバレルのギターの方が心にぐっと迫るものがあります。
そしてKenny Burrellって誰ですかという人のために簡単にご説明します。私は基本的にはぱっと聴いて、いいと感じる曲を聴きそしてアルバムで購入するというスタイルなのでアーティスト名とかは後で知ります。
1931年米国生まれの黒人ジャズギタリスト。ジョン・コルトレーン、Bill Evansやコールマン・ホーキンスとも共演を果たしアルバムもリリースしています。音楽のルーツはジャズなのかブルースなのかは不明。大学で音楽も学習しているようなので、ベースはきっとジャズではないかと勝手に推測しています。
ギターのトーンとしてはブルースではクラプトンもびっくりするくらいの速弾きができる人ですが、ジャズではロマンティックなトーンが多いです。
Guitar Forms

1965年リリースのアルバム。私にとっての最高傑作アルバム。ギル・エヴァンスがアレンジしたオーケストラがバレルのギターやドラム・ベースの音をかき消すことなく見事に調和しているのが凄い。
バレルのギターはエレキのフルアコだけでなくアコースティックギターも弾いているように聴こえます。もしかしたらフルアコをアンプを通さず弾いて録音しているのかもしれません。
5曲目以降はしびれる曲ばかりです。梅雨のひとときにまたは失恋したときに聴いてもらうと心に沁みます。『MIDNIGHT BLUE』ではなくこのアルバムを推すのか分かっていただけると思います。沈んでしまう暗さとかロマンティックさとかでは表現できない曲ばかりです。
『月と砂』『ロイエ』『昨夜の二人は若かった』は素晴らしい。
Have Yourself a Soulful Little Christmas

1966年リリースのクリスマスアルバム。『Guitar Forms』よりもギターのエレキ色が強くこのフレーズはブルースフィーリング全開です。オープニングからかなりの速弾きの応酬です。
心が落ち着く曲がいっぱいで、明日会社に行きたくないなあと思ったら是非このアルバムを聴いてみてください。根本的な解決にはなりませんが軽くお酒か紅茶でも飲みながら聴いたらぐっすり眠れるでしょう。
何となく重く難解なジャズよりもすんなりと受け入れられる曲ばかりです。『My Favorite Things』『White Christmas』『Silent Night』とメジャーな曲も独自のアレンジで演奏されています。本当にクリスマス以外の季節でも十分聴ける曲構成です。
『Guitar Forms』よりはオーケストラは少しだけ派手な印象ですが、ギターの音を十分生かすような構成です。
この記事を書いた人
ogoe 男性
福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。