ギブソン・レスポール1959に夢中になっていた時に出会ったアーティスト。その頃はブルース・ロックの名盤を聴き漁っていてその中に『Irish Tour’74』というライブ盤があった。
評価も高く音質もいい。その他のアルバムも聴きたくなったので購入して聴き比べた。私が退屈しないアルバムをチョイスしご紹介したい。
ギターは基本的にはレスポールが好きでストラトは腰のない音がどうしても受け入れられなかった。Rory Gallagherの音はどちらかというとジミヘンの音に近いが、演奏が丁寧なので荒々しさはないかもしれない。Stevie Ray VaughanよりRory Gallagherの方がストラトの音の出し方、弾き方ともに自分には合っている。
アイルランド出身のブルース・ロック・ギターリスト。尊敬するアーティストはバディ・ホリーでホリーの愛用ギターがストラトだったため自身もストラトを弾き始める。後にバディ・ホリー所有のストラトを入手。47歳でこの世を去る。
Live in Europe

1972年リリースのライブ盤で『Irish Tour’74』を聴いてから最初に買ったCD。こちらのライブの方が好きで何度も聴いています。音質もとてもいいです。ストラトの音のトーンを若干絞った厚みのある音が魅力です。
ハードロックと言ってもいいくらいの激しさがある。ブルースロックで当時お近くの英国のレッド・ツェッペリンが台頭していたので、その影響も当然あったことだろう。当初はクラプトンがいたCREAMのようなインプロビゼーション(即興)を目指していた。
ギターの演奏力に関しては申し分なく、ウクレレのような音を出した軽快な曲もあったりとクラプトンやジミー・ペイジとはやはり違う。ライブの内容からしてTRIOによる演奏だろう。
ベース、ドラムともに素晴らしい演奏だがギターを引立てる様なシンプルなものだ。
- ピストル・スラッパー・ブルース
- キミの町で
- ホワット・イン・ザ・ワールド
Irish Tour’74

1974年リリースのライブ盤。音質的には『Live in Europe』より向上しているが、ギターの音は高音が強調され刺さるような硬い音になっている。エフェクター、アンプ、音のコントロールでギャラガーの趣向が変わったためだろう。
定番中の定番アルバムで、『Live in Europe』がTRIOならこちらはキーボードが入っているのでカルテットになる。観客の歓声とかがハッキリと聴こえるのでライブ感が強い。
アコギのような音のギターはナショナル・トライオリアンかもしれない。スライドギターで良く使われるドブロのようなリゾネーター・ギターのこと。
泥臭さのない洗練された、そしてポップ感を散りばめたフレーズや曲調は2年前のライブとは明らかに違う。売れてきて金銭面に余裕ができたからなのか、プロデューサーまたはレコード会社の意向なのか分からない。ブルース・ロックが好きな人は『Live in Europe』を選ぶだろう。
- アイ・ワンダー・フー
- 100万マイルも離れて
- ウォーク・オン・ホット・コールズ
DEUCE

1971年リリースのアルバム。私はBMG盤の紙ジャケットの方を購入。ユニバーサル盤とは収録曲と曲順に相違あり。先ずオープニングがBMG盤が『I’m Not Awake Yet』から始まるのに対してユニバーサル盤は『Used to Be』から始まります。
またユニバーサル盤には『Persuasion』が収録されていません。この曲は録音状態も他の曲より劣るし、いい曲だとも思わないのでなくても問題なし。
ギターの音色は自然なクランチサウンド(軽く歪ませた程度)で聴きやすい。泥臭いブルース・ロックのアルバム。ちょっとパッとしないアルバムのような感じもするが悪くはない。
ポップ感はなくこれ以降のアルバムからポップ色が強くなってくる。
- I’m Not Awake Yet
- Maybe I Will
- There’s a Light
TOP PRIORITY

1979年リリースのアルバム。ポップな感じのアルバムでいかにも売れることを前提に制作されたようなアルバム。好みが分かれるアルバムだろう。少し派手目な音楽が初期の頃とは違う点。
ブルースの人がポップな感じの曲をやると違和感がある。泥臭さが持ち味のブルースが明るいノリのあるポップスとは正反対だからだ。クラプトンのポップ・ロックのアルバムにしてもフィル・コリンズをプロデューサーに迎えた『Behind the Sun』『August』と『Journeyman』くらいだろう。
たまにポップスをやるから新鮮味があって受けるのだろう。完全にポップスに転向したら受けないと思う。ベンツにずっと乗ってた人が軽自動車に乗ってるのを見たら違和感を感じるのと同じ。
ギターの音色はいつも通り素晴らしいが曲調はかなり退屈になってきている。
- Wayward Child
- Bad Penny
- Off the Handle





