ピンク・フロイドというバンドを知ったのは、ビートルズのリマスター盤が出た2009年に遡る。アビーロード・スタジオのメンバーによるリマスター作業で評価の高いリマスターであったことは間違いない。
同時期にピンク・フロイドもアビーロード・スタジオからリマスター盤が出たので購入したものの好きになれず手放した。データとしても残っていないくらい好きになれなかった。プログレ・バンドとして有名であったものの、かったるい曲調なのも原因かもしれない。しかし演奏技術はどの楽器も相当に高い。
好きになれなかったのは、1曲あたりの時間が長いのとサビがなく口ずさめない曲ばかりなのが理由です。雰囲気に浸るといった聴き方が当時はできなかった。今ならそんな聴き方もできるようになったため、わざわざmobil fidelityの超プレミアムがついたゴールドCDも購入できた。
手放してから10年以上も経てまた聴きたくなったので再度購入した。折角なので私にとってのベスト盤をご紹介したいと思う。
The Dark Side Of The Moon
1973年リリースのアルバム。全世界で5000万枚以上のセールスを記録した金字塔。アルバム・タイトルで邦題『狂気』とつけられたのは謎である。
ジャケットの印象
宇宙とピラミッドの謎解きかと思いました。
音の特徴
初めてこのアルバムを聴いた人は恐らくなんて変な音楽なのだろうと思うことでしょう。私も2009年当時はピンク・フロイドのアルバムを5枚買ったにもかかわらず、ほとんど聴かずに売却しました。環境音楽もブレンドされているような音作りです。
クラシックやジャズの方が音楽としては分かりやすいと思いますが、癒し系の音楽であることに違いはありません。演奏技術やボーカルともに一流です。安らぎを感じるようになるまで10年以上の歳月がかかりました。
雰囲気・世界観
サイケやプログレが好きな人は、不気味さが好きな人だと思う。このアルバムは上品な不気味さと言ったところだろう。夜の砂漠がイメージされます。
おすすめの聴き方・シーン
仕事とか恋愛関係が上手く行っていない時に是非聴いていただきたい。
総評
曲間が少し間がありすぎる曲もあればメドレーのようにつながっていく曲もあったりとかなり工夫されています。『Money』のようなアルバムのコンセプトを崩すような曲の後に『Us and Them』がくるところは、凄い構成にも配慮されたアルバム作りです。この曲はサックスがいい音色で鳴っています。安らぎに満ちた曲でこの曲だけを聴くために買っても損はないです。
『Any Colour You Like』のギターにコーラスをかけた音は叫びに近い音でもあります。可能な限り様々な情緒を音で表現しようとしています。『Brain Damage』の曲でアルバムタイトルが歌詞として歌われています。そして切れ目なくラストまで行きます。曲名はあるものの繋がっていると考えるといいです。全ては1つと。
- Time
- The Great Gig in the Sky
- Us and Them
キャッチコピー
『頭で理解するのではなく、心で感じる音楽』
AllMusic評価
| 5 | Masterpiece |
| AllMusicスコア | 評 価 |
|---|---|
| Masterpiece | |
| Excellent | |
| Strong | |
| Good | |
| Average | |
| Mixed | |
| Poor | |
| Very Poor | |
| Awful |
Wish You Were Here
1975年リリースで大ヒットアルバム『The Dark Side Of The Moon』の次に出たアルバム。全世界で2000万枚以上のセールス。悪くはないが特別いいというほどのアルバムでもない。前作ほどの新鮮味がないのだ。
またピンク・フロイドの場合時折曲にサックスが使用されるがこれが妙に印象に残る。
ジャケットの印象
レコードのようなジャケットバージョンもあれば、倉庫街の真ん中で握手しているものもある。
音の特徴
オープニングから壮大な演奏で始まり、ギターで曲の色をつけていく感じ。オープニングとエンディングが10分超えで大作を持ってきている。私はSHM-CD盤を購入したが録音レベルは、先の『The Dark Side Of The Moon』のMOBIL FIDELITY盤の2倍はある。しっかりとした音圧がある。
低域に重心を置いた曲作りを感じる。壮大さと威厳と言った方がいいのかもしれない。
雰囲気・世界観
モヤモヤした気分がより一層強くなる音楽。
おすすめの聴き方・シーン
仕事とか恋愛関係が上手く行っていない時に是非聴いていただきたい。だからと言って気が晴れる音楽ではないが、謎が深まり疲れて眠ってしまいます。
総評
アコースティック・ギターやエレキ・ギターともにかなり印象的なフレーズとトーンで演奏されていてこの楽器のパートに必然的に耳が入ってしまう。『Have a Cigar』にいたっては、エンディング数十秒前に急に音が低くなりカセットテープで聴いているような音になるので、DACが故障したのかと思うほどだ。
そしてその音量で次の『Wish You Were Here』が始まるので、故障したのではないかと思っても無理はない。ロック色が強くなってギターの果たす役割が大きくなっている。
相変わらずレコーディング・エンジニアの技術の高さとバンドメンバーと息の合ったアルバム編集だと思う。
- Shine On You Crazy Diamond (Parts I–V)
- Welcome To The Machine
- Wish You Were Here
キャッチコピー
『The Dark Side Of The Moonの続編なのだろうか』
AllMusic評価
| 5 | Masterpiece |
Animals
1977年リリースで『The Wall』の前の作品である。セールス的には『The Wall』の方がヒットしたがこちらのアルバムの方が好きなのでエントリー。
アコースティックギターが多用されており、ロック色が強くなった。もちろん『Sheep』のようなプログレもある。
ジャケットの印象
アルバムタイトルと工場の絵とどんな関係があるのだろうと考えてしまいますが、珍しく普通のジャケット。そういえば、『Wish You Were Here』は倉庫街そしてこのアルバムは工場と何を意味しているのか分からない。
音の特徴
アルバムとしてはジャンルとして『プログレッシブ・ロック』に該当するが、ポップロック色が強いように思う。初めて聴く人はこのアルバムから聴く方が聴きやすいかもしれない。
アルバムタイトルそして曲名ともに動物に関するものであり、実際に曲に動物の鳴き声も入っている。他のアルバムと違ってボーカルの割合が多いため分かりやすい音楽でもある。
『Pigs (Three Different Ones)』のボーカルでは珍しく加工した音声にしている。
雰囲気・世界観
環境音楽からは脱皮している。心を揺さぶるというよりは整える音楽。
おすすめの聴き方・シーン
どんな精神状態の時でも退屈することなく聴ける数少ないアルバム。軽く聴き流す感じで聴くのが一番合った聴き方。
総評
プログレ初心者向けに聴きやすい楽曲を制作したと言っていいでしょう。ポップロックを長くしたと思えばストレスなく聴ける。『Sheep』では不思議な盛り上がりがあるので明るい気分になってしまいます。
とにかく相変わらず変化に富んでいるので退屈しないです。事務作業のBGMとしてもかなり作業効率があがりそうです。不気味さが消し飛んで明るい日差しを感じる音楽になった。
- Pigs On The Wing 1
- Dogs
- Pigs (Three Different Ones)
キャッチコピー
『Pink Floyd初心者はこのアルバムから』
AllMusic評価
| 4 | Strong |





