TDR SlickEQ 無料版と SlickEQ GE の違いを徹底比較|音質・機能・使いどころを解説

子供の頃オーディオのエンジニアを目指しながらも、色盲のため断念した立場からすると、呪文のように語られる『原音に忠実』とか『原音再生』は無意味です。日本のカメラメーカーがライカに勝てない理由がそこにあります。リスナーによって曲や音の解釈が違うのだから、メーカーももっと個性的なものを開発して欲しい。

COPILOTに音質の好みを伝えているうちに、プラグインを勧められいくつか候補を出してくれました。その中で自分に合いそうなのが、Tokyo Dawn Records(TDR)のTDR VOS SlickEQと思い早速ダウンロードしました。このプラグインは無料なので試聴することはしませんでした。

音質の調整については、ZARDの坂井泉水さんのボーカルの透明感と息遣いが生々しく聴こえることが第一条件でした。息遣いの部分はJRiver Media Centerのパラメトリックイコライザーで特定の周波数を調整しました。結果上品で高音域がスーッと抜けていく感じになりました。2週間使用していくうちに物足りなさを感じるようになりました。低音も上品になり雑味と押しが弱くなっていたからです。音も少し明るくなっていました。私のようにJ-POPからクラシックまで聴く人に、万能の機材や調整が困難であることは理解しながらもなんとか理想に近づける努力はしました。

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私の好みの音
  1. 沈むような低音で、重いがもたつかい音。そして疲れない程度の丸みがある音。
  2. 中音域は、バイオリンや弦楽器の音が一音一音張りがあって艶やかな音。
  3. 高音域は透明感があり、スーッと抜けていきながらも軽くない音。

COPILOT曰く、好みの音に近づけるのには倍音の乗せ方の影響が大きいと回答して来ました。TDR SlickEQ 無料版では既に限界まで音を追い込んでいるので、上位版のSlickEQ GEを勧めてきました。6,000円程度も払って効果がなかったら嫌だとは思いましたが、導入を決定し成功でした。TDR SlickEQ 無料版では、イコライザーを使用するような極端な音質の変化がなかったのが躊躇した理由でした。

ここで無料版のままでいいのか有料版がいいのか悩む方のために、実際に利用している立場から比較してどちらを選択したらいいか伝えることができたらいいと思います。

TDR SlickEQ GE — 無料版から乗り換える理由と、その先にある「触れたくなる音」

もっと自然な感じで音の密度が欲しくてDSD64へのアップサンプリングとDSDネイティブ再生へと移行しました。当初はZARDの坂井泉水さんのボーカルが生々しく聴こえたことやコルトレーンのサックスが艶やかに聴こえて感動しました。しかし、DSDの魅力でもあり唯一の欠点は音域の上と下が丸くなってはっきりしない音になることです。

これを解消するために、JRiver Media Centerのパラメトリックイコライザーで特定の音域を狙い撃ちして調整しました。次にフラット系EQで有名なドイツの会社なのに東京とつくTokyo Dawn Records(TDR)のEQのSlickEQ 無料版に辿り着き、中音域から高音域まで自然に音が抜けるので音の響きが綺麗になりました。その代わりに、低音も綺麗で少し弱い音になってしまい低音域が犠牲になってしまいました。そこで、EQ SATで4つの音が選べるのでSOVIETにして低音域を補完するような聴き方をしていましたが、合う曲と合わない曲があり耳が疲れてしまいました。

SlickEQ GEとの出会いは、全ジャンルの曲に対して私の好みの音に近づける助けとなりました。全音域に対して納得のいく音質です。

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導入:無料版を使ってきた自分だからこそ見えたGEの価値

GE(Gentleman’s Edition)への移行は単なる“機能追加”ではなかったしそれは、音楽との向き合い方が一段階深まる体験になりました。元々フラット系EQなので音に変化がないかもしれないという心配は一切ありません。

相変わらずモニター上は、ソフトは小さく表示され調整しにくいですが音質は全く別物です。音にエネルギー感と開放感があり低音域もしっかり出ています。

2. 無料版との共通点(安心感)

このプラグインを導入することでダイナミックレンジが小さくなることはありません。音質劣化に繫がっていると感じることはないです。むしろ録音の時の音の粗さが分かるようになりました。不自然に強調された音や解像度が落ちたりボーカルが遠くなることはありません。

3. 無料版にはないGEの機能と、その“実際の使いどころ”

どちらも6.0dbで使用しているが、役割が全く違うのが音質に出ています。

パラメータ役割音の変化
CALIBRATE(有料版)倍音の“基準レベル”を決める音のキャラ・密度・艶が変わる
SAT TRIM(無料版)倍音の“量”だけを微調整キャラは変えず濃さだけ変わる

フィルター精度の向上:微細なブーストでも音場が広がり、ストリングスに艶が出る。

音の違い

私の設定は下記のとおりです。これで劇的に無料版と変わりました。音に全体的なエネルギー感(生命力)と開放感、明るさが消えた、低音の弱さが解消しました。かつてDIATONE DS-10000 Klavierで聴いた、バイオリンの音に張りがあってとても艶やかな音がここでも聴けるようになりました。

ドビュッシーの『月の光』を聴けば、沈むような滴るような音質だと分かるはずです。ロック、ジャズ、クラシック、ポップスに生命を吹き込んだ音になりました。

セクション設定評価
LOW85Hz / +0.5dB / Shelf◎:芯がありつつタイト。AMERICANの低域が自然に浮き立つ
MID2.5kHz / +0.2dB / Bell◎:素材のニュートラルさを保ち、ストリングスの艶が活きる
HIGH10kHz / +0.7dB / Shelf◎:Silkyの倍音が滑らかに乗り、空気感と抜けが自然に広がる
EQ SATAmerican◎:トランジェントが速く、低域のエネルギー感が出る
OUT STAGESilky◎:倍音が上品で、ZARDのボーカルに瑞々しさを与える
CALIBRATE6.0dB◎:密度と厚みが最大限に引き出される設定
HP FILTER15Hz◎:不要な超低域をカットし、音場の濁りを防ぐ
LP FILTER22kHz◎:高域の開放感を保ち、Silkyの質感を活かす
TILT FILTER650Hz / ±0.0dB◎:使わないことで帯域バランスが自然に保たれる
OUTPUT GAIN-0.5dB◎:EQの効きを自然に聴かせる絶妙なレベル調整
LOW / HIGH カーブShelf◎:広域的に自然な補強が可能。音場の広がりに貢献
MID カーブBell◎:ピンポイントで素材のニュートラルさを保つ

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