Rod Stewart『Unplugged』レビュー

『Unplugged』とは電子機器を使用しないで演奏される音楽である。MTVにより商標登録されている。MTVとはアメリカのケーブルチャンネルで音楽専門チャンネルとして誕生したが、現在は消滅している。

エンターテイメントの多様化と情報入手のメディア(YouTube等)が身近になったことにより影響力が低下し、役目を終えたといった方が正しいのだろう。

その時の遺産かもしれないが、同じ音楽でも電子機器を使用しないとなるとアレンジも変える必要があるし曲が生まれ変わる。こうした考え方は日本人には無理なので欧米人は発想が豊かである。

無名時代にジェフ・ベックによって見出された人ですが、どちらかというと黙って俺の音楽を聴けというスタンスの人なのでこのライブは貴重である。ギターでロン・ウッドが参加していてMCでも楽しく会話している。終始明るくリラックスしたライブである。

1993年リリースのアルバムでジャケットの写真からもロッドもロンも若い。『People Get Ready』でストリングスが入るがこじんまりとまとめているのが気になる。『Unplugged』のアルバムは他のアーティストのを聴いても何曲かはいいと感じても途中で飽きてしまうことがある。このアルバムに関してはそんなことはない。

ストリングスとピアノ、ロンのアコースティック・ギターが曲に彩りを与えているからである。バラードのベスト盤もいいがこんなライブ盤を一枚くらい持っていてもいいと思わせるアルバムである。

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