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ジャズをこれから聴こうと思っている人も一度は耳にすることになるアルバム『Somethin’ Else』について書いてみようと思う。有名なアルバムで評価も高い。
- キャノンボール・アダレイ – アルト・サックス
- マイルス・デイヴィス – トランペット
- ハンク・ジョーンズ – ピアノ
- サム・ジョーンズ – ベース
- アート・ブレイキー – ドラム
最初はマイルス・デイビスしか知りませんでした。しかし参加メンバーのことを調べていくうちに、誰一人として普通のプレーヤーがいないということです。独自の奏法を持っていて後世に影響を与えている点。
キャノンボール・アダレイ
- ジャズでサックスと言えばテナー・サックスが有名だが、敢えて音のコントロールが難しいアルト・サックスを使用している。
- 管楽器でリズミカルに弾くことの困難さは、弾いてみれば分かることだが一音一音しっかり出しながらとてもリズミカルに弾いている。
- マイルスに呼応するかのような演奏も多々見られ、全体を生かすバンドマスターでもある。
マイルス・デイヴィス
- ミュート・トランペットや常に音楽に対するチャレンジを続けた人。
- 突き刺さるような孤高の音色は随一。
- 参加メンバーに対する要求も高く、セッション後は全員有名になっている。コルトレーンなんかは最たる例である。
ハンク・ジョーンズ
- 曲に合わせて、バックやソロで存在感のあるメロディアスなピアノ演奏をしている。
- 繊細でもあり力強いタッチでもあり上品なピアノ。
- 著名なジャズプレーヤーからの依頼でレコーディングに多数参加している。
サム・ジョーンズ
- とても力強い弦の弾き方でランニングベースをする人。
- 悲壮感など微塵もないフレーズと音色。
アート・ブレイキー
- ナイアガラ・ロールと呼ばれる特徴的なドラミングをする。ロールとは日本国国家『君が代』でドラムが入ってくるところで聞け、スネアとスティックを使った奏法。
- 曲間に入れるドラムのタイミングが絶妙。どの楽器の人とも共演しているような演奏。
- ドラム・セットをフル活用しながら一人オーケストラをしている。
シャンソンとは歌曲でありジャンルを超えてジャズに持ち込んだことが当時としては異例であったこと。マイルスなのかアダレイなのか天才はやっぱり違う。アルバムタイトルも枯葉ではなく、『Somethin’ Else』にしたところが興味深い。多様性を連想してしまうからである。
私はこのアルバムをmobil fidelityのゴールドCDとRudy Van Gelderのリマスター盤の2枚所有している。好みの問題となるが違いを分かりやすく説明すると次の通りとなる。
7m先で演奏しているような響き。遠いから聴きづらいというよりは、一旦各楽器の音を周囲に響かせながら聴くというスタイル。繊細さもあるが物静かなイメージ。
1m先で演奏しているような響き。ダイナミックで迫力満点の演奏。繊細さはなく人によっては疲れてしまうかもしれない。同じ演奏、アルバムだとは想像できないくらい違ったように聴こえる。
おススメの曲
- Love For Sale
- One For Daddy-O
- Dancing In The Dark
この記事を書いた人
ogoe 男性
福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。