Eric Clapton名盤10選

ブルース・ロックの神様でヤードバーズから始まって、John Mayall&the Bluesbreakers、CREAM、Derek and the Dominos、ソロ活動へと様々なキャリアを積んできました。それ故に単調なブルース・ロックに終わることなく多様な音楽を取り入れてその地位を確立してきたアーティスト。

『Esquire』という1933年にアメリカで創刊され、現在は20の国と地域で展開されるグローバルメディアブランドに2008年1月号に記載されたクラプトンの記事をご紹介します。

私がこれまでに学んだ最も有益なことの一つは、口を閉じておくことです。

2007年10月9日インタビュー

父親になるまでは、自己陶酔ばかりでした。でも、父親になってから、まさにその真髄を知りました。奉仕者であることの喜びです。オリヴィエは、人生で目指せる最高のものは、良き奉仕者になることだと書いていました。

2007年10月9日インタビュー

最初から、音楽は何よりも安全で、誰も私に何も教えてくれないだろうと直感的に分かっていました。音楽には仲介者が必要なかったのに、学校の他のことは何かしらの説明が必要だったのです。

2007年10月9日インタビュー

何かをテープに録音するときは、数週間じっくり試してからにしています。以前、誰かがこう言っていたのを聞いたことがあります――確かクインシー・ジョーンズだったと思いますが――彼はアイデアは思いつくものの、それが何度も頭に浮かんできてイライラし始めるまで、実際に行動に移さないそうです。

2007年10月9日インタビュー

ジミ・ヘンドリックスにギターを買ってあげたんだ――白い左利き用ストラトキャスター。翌日、ジミが亡くなったことを知った。酒と麻薬を混ぜてハイになり、吐いたものを喉に詰まらせたのだ。なぜ私は止められなかったのか? まあ、傲慢さしかなかった。自分が大丈夫だと信じていた傲慢さ。まるで、ダークサイドを探求する似非芸術家のように振舞っていたんだと思う。私を止めようとした人たちにとっては、危険な行為だったに違いない。振り返ってみると、私がアンダーグラウンドにいた頃、彼らが私に話しかけてくれたのには、どれほどの配慮と愛情が必要だったかが分かる。彼らの言うことを聞かずに、彼ら全員の顔面を殴りつけたのは、どれほど不注意で冷酷だったかが分かる。

2007年10月9日インタビュー

中毒には交渉の余地がない。

2007年10月9日インタビュー

どん底に落ちたことを教えてくれたのは、釣り竿だった。みんな、私が窮地に陥っていると言う。本当に窮地に陥っているのだろうか?わからない。本当にそうなのか?窮地に陥っているとは思わない。どうすればこの窮地から抜け出せるだろうか?釣りに行けばいい。私はずっと自分のことを釣りが上手だと思っていた。ウェイ川まで車で行き、釣り場を見つけた。やっと道具をセットしたと思った矢先、バランスを崩して竿に倒れ込み、竿を折ってしまった。もう釣りもできない。ドン!どん底に落ちた。あなたは釣り人じゃない。目を覚ませ。

2007年10月9日インタビュー

えっと、私は何者かって?実はアルコール依存症なんです。

2007年10月9日インタビュー

治療を受けるまで、私は誰にも助けを求めたことがありませんでした。助けを求めるくらいなら、答えを知らない方がましだと思ったのです。だからこそ、治療は私にとって魅力的でした。彼らは意図的に、やり方を誰かに尋ねざるを得ないようなことを、できる限り多く患者に仕掛けてきました。例えば、コーヒーを淹れるには、あそこにたくさんの部品が組み合わさった機械があるのですが、私はやり方が全く分かりませんでした。だから誰かに尋ねなければなりませんでした。何度も何度も、助けを求めなければなりませんでした。実に巧妙なやり方です。

2007年10月9日インタビュー

リスクとは、自分が無力なものをコントロールしようとすることです。

2007年10月9日インタビュー

自分に足りないものに対する解決策としてお金を追い求める傾向がある人は、祈るものに注意したほうがよいでしょう。なぜなら、お金が手に入るかもしれないからです。

2007年10月9日インタビュー

私はiTunesで試聴するのが得意です。買うべきかどうかはすぐに分かります。

2007年10月9日インタビュー

「レイラ」はまるで金鉱を掘り当てたような感覚でした。水の中や砂浜を見つめていると、突然キラキラと輝くものが現れる、そんな感覚です。少なくとも私にとっては、「ああ、これはみんなに気に入られるだろう」なんて思うことは決してありません。「これこそが宝の山だ!」と思うのです。

2007年10月9日インタビュー

「Tears in Heaven」は難しい曲です。もう演奏できないからです。息子の思い出や当時の気持ちを曲に使って、聴衆に何らかの影響を与えるのは不適切だと思います。

2007年10月9日インタビュー

もちろん、後悔はあります。数え切れないほどです。中でも大きな後悔の一つは、ジョージ・ハリスンの結婚に関わったことです。ディランが歌っているあの素敵な歌は何だったっけ?「楽園と道の向こうの家を間違えないで」。あの歌のインスピレーションが何だったのかは分かりませんが、まさに私の経験が歌っているんです。

2007年10月9日インタビュー

友人のスティーブ・ウィンウッドは、子供たちに「早く来なければ遅刻だ。中間はない」と教えていると言っていました。

2007年10月9日インタビュー

回復期に入った時、私のアイデンティティは大きく変わりました。それが今の私です。ミュージシャンなどになるよりも、このアイデンティティを持つことの方がずっと喜びを感じます。なぜなら、このアイデンティティのおかげで、自分をコントロールできるサイズに保てているからです。病気で地に足が着いた時(それがあるのは幸せなことですが)、このアイデンティティが私を調和させてくれます。精神的な拠り所を与えてくれます。説明を求めないでください。

2007年10月9日インタビュー

有名人であることの一番大変なことは、そうしたくないときに礼儀正しく振る舞わなければならないことだと思います。

2007年10月9日インタビュー

写真を撮られるのも好きじゃないんです。そういう意味では、まるでアフリカの老人みたい。魂を少し奪われる気がするんです。

2007年10月9日インタビュー

私にとっての平和とは、頭の中に雑音がないことです。

2007年10月9日インタビュー

John Mayall&the Bluesbreakers

クラプトンは1960年製のギブソン・レスポール・スタンダードと1962年製のマーシャル・アンプを使用して、フルボリュームでレコーディングしたところ歪み(クランチ)サウンドが生まれた。

これが今日のロック、ハードロック、ヘビメタのギターサウンドのベースとなる。当時はクリーントーンが普通で歪んだ音は使用しなかった。偶然の産物とはいえ、フルボリュームで歪むというのは電気回路としては未完成あるいは欠陥があることを意味する。

そしてこのアルバムを聴いたジェフ・ベックはテレキャスターからレスポールに持ち替えている。

Bluesbreakers With Eric Clapton

1966年リリース。クラプトンのブルースフレーズも素晴らしいが、ベースもギターと共演しているかのような演奏である。クラプトンはこの一枚のみレコーディングして脱退している。

おススメの曲
  1. All Your Love
  2. Hideaway
  3. Double Crossing Time

CREAM

ジャズ出身のジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーとトリオを結成。ジャック・ブルースのベースはリズムを掴みにくいベースなので好みが分かれるだろう。ボーカルはその代わりグッド。ジンジャー・ベイカーのドラムは細かい音を正確に刻んでいるので技術的に凄いのは良く分かる。

ジャック・ブルースが意外にハーモニカを演奏するのには驚いた。ハードなブルース・ロックを志向している人だと思っていたから。

CREAMは当初それほど好きではなかったが、Dcc Compact Classicのリマスターで一気に好きになったというか夢中になってしまった。音が太く引き締まっていてとてもリアルなサウンドに変化したからだ。

Fresh Cream

1966年リリースのデビュー・アルバム。Dcc Compact Classicのリマスター盤の中では最も効果が大きいアルバム。ジンジャー・ベイカーのドラムのテクニックを感じ取れたのはこれだけかもしれない。他のアルバムだと聴きにくいからだ。

Dcc Compact Classic盤
Dcc Compact Classicの音

私はCDで購入しましたがレコードと同様に太くて魅力的なサウンドでした。この動画がきっかけでDcc Compact Classic盤の虜になったのは事実。プレミア価格で中々市場に出てこない代わりに後悔はないので買って損はしない。

おススメの曲
  1. I Feel Free
  2. N.S.U
  3. Dreaming

Disraeli Gears

1967年リリース。名曲『Sunshine of Your Love』はこのアルバムから生まれた。しかしこの曲以外はパッとしない感じの曲が多い。ジンジャー・ベイカーのドラムスは一人オーケストラをしているようで凄い。

おススメの曲
  1. Strange Brew
  2. Sunshine of Your Love
  3. World of Pain

Wheels of Fire

1968年リリースの2枚組アルバム。1枚目はスタジオ・アルバムで2枚目はライブ盤。名演『Crossroads』はこのアルバムから。CREAMの頂点となるアルバム。

おススメの曲
  1. As You Said
  2. Crossroads
  3. Spoonful

Goodbye Cream

1969年リリースの最後のスタジオ・アルバム。ジョージ・ハリスンとの共同作曲の『Badge』はこのアルバムから。そしてCREAM史上最も売れた曲になった。曲数も少なく演奏時間も短いのでミニアルバムだろう。

おススメの曲
  1. I’m So Glad
  2. Politician
  3. Badge

Live Cream

1970年リリースのライブ盤。やはりCREAMはライブで威力を発揮する。そしてジャック・ブルースよりもクラプトンとベイカーのプレーを支持する。この二人は天才の領域にいる。

おススメの曲
  1. N.S.U.
  2. Sleepy Time Time
  3. Sweet Wine

Live Cream Volume II

1972年リリースのライブ盤。こちらのアルバムの方が『Live Cream』より売れている。やはり『White Room』『Sunshine of Your Love』が収録されているからだろう。全曲クラプトンのプレーが最高である。この人のソロのフレーズは本当にオリジナリティに富んでいて、もたつくことのないロングプレーが素晴らしい。

おススメの曲
  1. Deserted Cities of the Heart
  2. White Room
  3. Sunshine of Your Love

Goodbye Tour – Live 1968

音質はブートレッグ並みで良くもユニバーサルは発売したものだと驚いた。しかしフェアウェル・コンサートのアルバムはこれだけなので仕方がない。『ロイヤル・アルバート・ホール』の演奏が聴きたいので音質が悪くても買ったのだ。

4枚組のアルバムでDISC4が正にそのアルバム。『Crossroads』『Sunshine of Your Love』にいたってはこれ以上の名演はないだろう。

Derek and the Dominos

この時代のクラプトンを評価する人が多い。しかし私はCREAM時代の緊迫感に満ちたプレーの方がいい。DEREK時代のソロは何となく手を抜いているようなソロが多いと感じるからだ。

『IN CONCERT』の評価が高いが退屈に感じてしまう。ジョージ・ハリスンの当時の奥さん『パティ・ボイド』を好きになってしまいその苦悩から生まれた『いとしのレイラ』は素晴らしいが。

いとしのレイラ

1970年リリース。CREAM解散後にジンジャー・ベイカーと『BLIND FAITH』を結成するもたった1枚のアルバムをリリースして解散。どのような心境の中でこのアルバムが製作されたかは想像に難くない。

亡きジミ・ヘンドリックスに捧げた『Little Wing』、パティ・ボイドに捧げた『Layla』と複雑な心境だろう。その時ジョージ・ハリスンは『サムシング』を捧げたとも言われている。

おススメの曲
  1. Little Wing
  2. Layla
  3. Thorn Tree in the Garden

ソロ活動時代

ボーカルが主流になりギターが鳴りを潜めた感じのアルバムが多い。コカイン中毒からカムバックして製作した次のアルバムが一番いいだろう。

461 Ocean Boulevard

1974年リリースでマイアミの自分のスタジオ兼別荘でレコーディングされた。ポップな感じでありながらレゲエもカバーしてヒットさせている。

おススメの曲
  1. Motherless Children
  2. I Shot the Sheriff
  3. Let It Grow
TOPへ