ブルース・ロックの神様でヤードバーズから始まって、John Mayall&the Bluesbreakers、CREAM、Derek and the Dominos、ソロ活動へと様々なキャリアを積んできました。それ故に単調なブルース・ロックに終わることなく多様な音楽を取り入れてその地位を確立してきたアーティスト。
John Mayall&the Bluesbreakers
クラプトンは1960年製のギブソン・レスポール・スタンダードと1962年製のマーシャル・アンプを使用して、フルボリュームでレコーディングしたところ歪み(クランチ)サウンドが生まれた。
これが今日のロック、ハードロック、ヘビメタのギターサウンドのベースとなる。当時はクリーントーンが普通で歪んだ音は使用しなかった。偶然の産物とはいえ、フルボリュームで歪むというのは電気回路としては未完成あるいは欠陥があることを意味する。
そしてこのアルバムを聴いたジェフ・ベックはテレキャスターからレスポールに持ち替えている。
Bluesbreakers With Eric Clapton
1966年リリース。クラプトンのブルースフレーズも素晴らしいが、ベースもギターと共演しているかのような演奏である。クラプトンはこの一枚のみレコーディングして脱退している。
- All Your Love
- Hideaway
- Double Crossing Time
CREAM
ジャズ出身のジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーとトリオを結成。ジャック・ブルースのベースはリズムを掴みにくいベースなので好みが分かれるだろう。ボーカルはその代わりグッド。ジンジャー・ベイカーのドラムは細かい音を正確に刻んでいるので技術的に凄いのは良く分かる。
ジャック・ブルースが意外にハーモニカを演奏するのには驚いた。ハードなブルース・ロックを志向している人だと思っていたから。
CREAMは当初それほど好きではなかったが、Dcc Compact Classicのリマスターで一気に好きになったというか夢中になってしまった。音が太く引き締まっていてとてもリアルなサウンドに変化したからだ。
Fresh Cream
1966年リリースのデビュー・アルバム。Dcc Compact Classicのリマスター盤の中では最も効果が大きいアルバム。ジンジャー・ベイカーのドラムのテクニックを感じ取れたのはこれだけかもしれない。他のアルバムだと聴きにくいからだ。
私はCDで購入しましたがレコードと同様に太くて魅力的なサウンドでした。この動画がきっかけでDcc Compact Classic盤の虜になったのは事実。プレミア価格で中々市場に出てこない代わりに後悔はないので買って損はしない。
- I Feel Free
- N.S.U
- Dreaming
Disraeli Gears
1967年リリース。名曲『Sunshine of Your Love』はこのアルバムから生まれた。しかしこの曲以外はパッとしない感じの曲が多い。ジンジャー・ベイカーのドラムスは一人オーケストラをしているようで凄い。
- Strange Brew
- Sunshine of Your Love
- World of Pain
Wheels of Fire
1968年リリースの2枚組アルバム。1枚目はスタジオ・アルバムで2枚目はライブ盤。名演『Crossroads』はこのアルバムから。CREAMの頂点となるアルバム。
- As You Said
- Crossroads
- Spoonful
Goodbye Cream
1969年リリースの最後のスタジオ・アルバム。ジョージ・ハリスンとの共同作曲の『Badge』はこのアルバムから。そしてCREAM史上最も売れた曲になった。曲数も少なく演奏時間も短いのでミニアルバムだろう。
- I’m So Glad
- Politician
- Badge
Live Cream
1970年リリースのライブ盤。やはりCREAMはライブで威力を発揮する。そしてジャック・ブルースよりもクラプトンとベイカーのプレーを支持する。この二人は天才の領域にいる。
- N.S.U.
- Sleepy Time Time
- Sweet Wine
Live Cream Volume II
1972年リリースのライブ盤。こちらのアルバムの方が『Live Cream』より売れている。やはり『White Room』『Sunshine of Your Love』が収録されているからだろう。全曲クラプトンのプレーが最高である。この人のソロのフレーズは本当にオリジナリティに富んでいて、もたつくことのないロングプレーが素晴らしい。
- Deserted Cities of the Heart
- White Room
- Sunshine of Your Love
Goodbye Tour – Live 1968
音質はブートレッグ並みで良くもユニバーサルは発売したものだと驚いた。しかしフェアウェル・コンサートのアルバムはこれだけなので仕方がない。『ロイヤル・アルバート・ホール』の演奏が聴きたいので音質が悪くても買ったのだ。
4枚組のアルバムでDISC4が正にそのアルバム。『Crossroads』『Sunshine of Your Love』にいたってはこれ以上の名演はないだろう。
Derek and the Dominos
この時代のクラプトンを評価する人が多い。しかし私はCREAM時代の緊迫感に満ちたプレーの方がいい。DEREK時代のソロは何となく手を抜いているようなソロが多いと感じるからだ。
『IN CONCERT』の評価が高いが退屈に感じてしまう。ジョージ・ハリスンの当時の奥さん『パティ・ボイド』を好きになってしまいその苦悩から生まれた『いとしのレイラ』は素晴らしいが。
いとしのレイラ
1970年リリース。CREAM解散後にジンジャー・ベイカーと『BLIND FAITH』を結成するもたった1枚のアルバムをリリースして解散。どのような心境の中でこのアルバムが製作されたかは想像に難くない。
亡きジミ・ヘンドリックスに捧げた『Little Wing』、パティ・ボイドに捧げた『Layla』と複雑な心境だろう。その時ジョージ・ハリスンは『サムシング』を捧げたとも言われている。
- Little Wing
- Layla
- Thorn Tree in the Garden
ソロ活動時代
ボーカルが主流になりギターが鳴りを潜めた感じのアルバムが多い。コカイン中毒からカムバックして製作した次のアルバムが一番いいだろう。
461 Ocean Boulevard
1974年リリースでマイアミの自分のスタジオ兼別荘でレコーディングされた。ポップな感じでありながらレゲエもカバーしてヒットさせている。
- Motherless Children
- I Shot the Sheriff
- Let It Grow
この記事を書いた人
ogoe 男性
福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。