映画『ゴッドファーザー』のジョニー・フォンテーン役がシナトラをモチーフとして描かれたというのを知って、フランク・シナトラの音楽を聴いたのが始まり。
かつての大スターで、現在は落ち目になった歌手ジョニー・フォンテーンは、映画に出演してキャリアの立て直しを図ろうとするが、ハリウッド映画のボスであり、映画へのキャスティング権を握るジャック・ウォルツは、ジョニーに役を与えようとしない。そこで名付け親の『ゴッドファーザー』にジャック・ウォルツの説得を依頼する。
しかし、ゴッドファーザーの頼みでもウォルツは応じない。かつて手塩に育てた女優をフォンテーンは愛人にしてしまったからだ。最後はウォルツが大切にしていた競走馬の首を、ウォルツが寝ているベッドに置いて脅迫し役を得るという落ちである。
歌手ジョニー・フォンテーンはフランク・シナトラ、ハリウッド映画のボスのジャック・ウォルツはハリー・コーン、手塩に育てた女優とはマリリン・モンロー。出演しようとした映画とは『地上より永遠に』。
In the Wee Small Hours
ジャケットで選んで試聴してCDを購入するというのが私のスタンス。このジャケットは渋くていい。シナトラの曲はどれも同じに聴こえて退屈だという人がいますが、ボーカルだけ聴こうとするからです。
背景の演奏をベースにメロディーライン、そしてシナトラの歌という順番に聴いてみてください。聴こえ方が変わります。
ジャケットの印象
霧の都ロンドンの夜更け。『ロンドン・スモッグ事件』とは石炭の燃焼による大気汚染と天然の霧が混ざって視界不良を起こすまでに黒っぽくなった霧のことを指す。事件は1952年だから、アルバムリリース時の1955年ならジャケットのような様でもおかしくない。
音の特徴
シナトラの作品でも1位、2位を争うくらい暗い雰囲気のアルバム。特有の華やかさが全くない。モノラルでも違和感なく聴けてしまうのがシナトラの魅力。
雰囲気・世界観
ボーカルを入れたまま使うかどうかは別として、映画音楽にかなり使える曲が多いです。日常か非日常かの区別ができない世界。
おすすめの聴き方・シーン
雨の日に出かけたくない時か何もやる気が起きない時に聴いてください。
総評
『What Is This Thing Called Love?』なんてボーカルを消すと、もろに宇宙戦艦ヤマトの『真っ赤なスカーフ』に似た曲と化します。壮大なオーケストラをバッグに歌わなくてもその歌声で聴衆を惹きつけます。
音数が多かろうが少なかろうが声の存在感は消えることはない。
- ディープ・イン・ア・ドリーム
- キャント・ウィ・ビー・フレンズ
- ダンシング・オン・ザ・シーリング
キャッチコピー
『時間に埋もれてしまうことなし』
AllMusic評価
| 5 | Masterpiece |
| AllMusicスコア | 評 価 |
|---|---|
| Masterpiece | |
| Excellent | |
| Strong | |
| Good | |
| Average | |
| Mixed | |
| Poor | |
| Very Poor | |
| Awful |
Only The Lonely
ジャケットの印象
デス・マスクのようなジャケットが不気味です。タイトルを中央に配置して右に顔、左に平行四辺形の形のものを7個幾何学的に並べ、色も7色とも違う手の込んだジャケット。
音の特徴
『シナトラのアルバムで一番しんみりと聴けるアルバムについて教えて欲しい』と相談したときに出たのがこのアルバム。別の人は『In the Wee Small Hours』ということで2枚同時に買った記憶があります。
モノラル盤は聴いたことないですが、ホーンが多く入っているオーケストラで壮大な中で負けることなく歌えているのは流石はシナトラ。『In the Wee Small Hours』よりも甘く切ない感じです。こちらのアルバムの方が暗くていいと言う人がいますが、ホーン系の楽器が良く問いかけてくるのでシナトラと対話しているような音楽です。
雰囲気・世界観
演劇の世界で十分使える音楽ではないでしょうか。
おすすめの聴き方・シーン
普通なら流れてくる音楽を受け身で聴いて頭で聴くか体で感じるかですが、このアルバムはオーケストラとシナトラのボーカルが対話しているのでこちらからその世界に入っていくスタイルです。何を表現したいのかと気になってしまう構成です。
総評
珍しくステレオ・MIXのアルバム。オーケストラが雄大に聴こえます。シナトラの全盛期はキャピトル・レコード時代だったと感じさせる1958年リリースのアルバム。CHET BAKERの時もそうでしたが、時代の変わり目に大作が出るものです。このアルバムはバラードの名盤です。
- イッツ・ア・ロンサム・オールド・タウン
- ウィロー・ウィープ・フォー・ミー
- ワン・フォー・マイ・ベイビー
キャッチコピー
『オーケストラとの対話』
AllMusic評価
| 5 | Masterpiece |
Point of No Return
ジャケットの印象
ブルーの使い方が鮮やかでもなく暗くもない上手い使い方をしている。
音の特徴
生涯ジャズ・シンガーでいたかった人だとは思いますが、商業的な成功を目論んだプロデューサーであったりレコード会社の意向でポップスソング寄りの傾向になっていくのが嫌いだったシナトラ。
彼にとってのこのアルバムはジャズではなくポップスなのかもしれません。それでこんなタイトルになったとしたら理由が付きます。勝手な想像ですが。食うために歌いたくないものも歌うというジレンマに悩んでいたのでしょう。
シナトラと言ったら『マイ・ウエイ』とすぐ出てくらいの代名詞ですが、リリースは1969年なので1960年代初期と後期ではどう変わっているのかと想いを馳せます。単純により一層ポップス寄りになっていると感じます。
ポール・アンカも『マイ・ウエイ』のために良くシナトラを説き伏せたと思います。歌詞がシナトラの人生に近いから気に入ったのかもしれませんね。
雰囲気・世界観
ジャズ・シンガーに戻ることがないだろうと言う境地
おすすめの聴き方・シーン
バックにオーケストラがあるというよりは、オーケストラがあってシナトラがいるアルバムです。自分のボーカルを中心に曲が構成されてきたのに、だんだん脇役的になって歌わされている感じが嫌なんだと思います。
結婚している女性や会社での立場が低い人に聴いて欲しいアルバムです。
総評
シナトラの歌もいいが、とにかくバックのオーケストラが負けじと歌っています。オーケストラに乗って歌っている感じです。『Only The Lonely』とは全く構成が違います。
アルバムタイトルは日本語で『帰還不能点』といい人生ついて考えさせられるタイトルです。
そしてご紹介したアルバムの中でこのアルバムが一番好きなアルバムです。オーケストラが派手ですが。1961年リリースのアルバムで60年代スタートのアルバム、そんなに売れたとは思いませんがそんなアルバムをMOBIL FIDELITYは良くリマスターしたもんだ。
- I’ll Remember April
- These Foolish Things Remind Me Of You
- As Time Goes By
キャッチコピー
『マイ・ウェイ』だけがシナトラではない
AllMusic評価
| 3 | Average |





