ドラマ『能面検事』8話(最終話)の犯人の回顧録の中で流れているピアノの曲が気になり調べました。そしてこの曲は長年気になりながらも誰の曲なのかつかめなかった。
テレビCMで聞いていて、もしかしたら坂本龍一のものかと思って調べても見つからなかったです。『能面検事』で流れているピアノの曲で検索したら見つかりました。ドビュッシーの『月の光』と分かるまで10年以上かかっています。
また過去にはドラマ『Sweet Season』の挿入歌で、元々はキャロル・キングの『Sweet Season』が使用されながらもDVDでは著作権の関係で別の曲に替えられた曲を探したりもしました。
DVDの販売元であるポニーキャニオンに電話して確認したところ、著作権フリーの曲のため曲名は分からないという回答でした。とよた真帆が松嶋菜々子といるときお店のBGMとして流れてきた曲だったと記憶しています。
大分脱線しましたが、『月の光』の名演と言われるピアニストは下記の方たちです。
- サンソン・フランソワ
- ミシェル・ベロフ
- 辻井伸行
- ゾルターン・コチシュ
- スヴャトスラフ・リヒテル
サンソン・フランソワ

ドビュッシーと同じフランス人で、ショパンとドビュッシーのピアノに関して特に評価が高いです。リズムの刻み方というかテンポが速くなったり遅くなったりしながらも、力強く鍵盤を叩いている演奏です。
静かに月夜を楽しむとかではなく、何かこれから大きな変化の渦に巻き込まれていくような激しさがあります。他のピアニストにはない演奏がファンを引き寄せているのでしょう。
ミシェル・ベロフ

こちらもフランス人でドビュッシーの演奏には定評のあるピアニストになります。静かで柔らかなピアノです。しかも繊細で硬質さも持ち合わせており透き通るような音色が特徴です。
テンポは一定で春の日の雪解け水のような演奏です。
辻井伸行

辻井さんは目が見えないのにこれだけの演奏ができるのに、自分は何をやっているのだろうといつも考えさせてくれる演奏です。
冬の寒い日の夜に月を見ているような演奏です。仕事に疲れてボーっと月を眺めているという演奏ではないです。月を眺めながら明日を生きていく決意を明確に感じる曲調です。
辛い時に聴いても自分に同情するという感情は湧いてこないでしょう。
ゾルターン・コチシュ
CDでは見つからなかったので、Qobuzでダウンロード購入できます。音質的にはハイレゾではなくCDレベルですが悪くはないです。後述するリヒテルの演奏によく似ています。推測ですがリヒテルの演奏を真似ているのかもしれません。
ハンガリーのピアニストなので今戦争状態のウクライナの隣の国に位置します。
とても静かで水が滴るような透明感があります。なぜか人生を回顧したくなるような演奏です。私にとって涙が出てくるような演奏なのです。
スヴャトスラフ・リヒテル
リヒテル『1977年ザルツブルク・リサイタル』は残念ながら中古市場でもなかなか手に入りません。リヒテルが最も充実していた頃の演奏です。私は運よく手に入りましたが、もしどこかで販売されていたら是非購入をおススメします。
下の画像はJRiverのソフトより貼り付けました。選曲の素晴らしさだけでなく演奏が力強くも繊細さのあるものばかりです。特にドビュッシーの『月の光』は最高です。リヒテルが『月の光』を演奏しているのは、私が探した中ではこのアルバムだけです。
とても静かで雨上がりの月を見ているような演奏です。他の曲の演奏もとても素晴らしく、変な癖のある演奏は一つもなく優美なリサイタルでした。
因みに、コンサートとは演奏者が複数人いるものでリサイタルとは独奏会という意味です。

リヒテルは日本のヤマハのピアノを愛していました。世界的なグランドピアノメーカーのスタンウェイ&サンズよりもです。
このアルバムで弾いていたのは、どのメーカーのものかは分かりませんが、鍵盤を打楽器のように演奏する人というイメージをものの見事に覆した演奏でした。
この記事を書いた人
ogoe 男性
福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。