【永久保存版】天才プリンスの多面的魅力に迫る名盤5選!名曲『Purple Rain』から伝説のライブ・未発表曲まで

HIFIMAN『HE1000se』を最近購入したこととプリンスが最新アルバム『Timeless』をリリースすることを知って名盤5選を書こうと思いました。黒人系のアーティストではマイケル・ジャクソンもバラードから激しいPOPまでありますが、プリンスの声質の方が癒し系の声だと感じています。刺さる音質ではないからです。

アルバム『1999』という高評価のものもありますが、テンポが速すぎて私にはまだ理解できません。HIFIMAN『HE1000se』のエージングと性能を極限まで垣間見るにはこのアーティストしかいないと思いました。作品全てに単調さはなくアップテンポからバラード、壮大な曲までと性能チェックにはこれ以上のアーティストはいません。

プリンスという人 — 生い立ちから死まで

プリンス・ロジャーズ・ネルソンは1958年6月7日、ミネソタ州ミネアポリスで生まれた。両親ともにジャズ・ミュージシャンで、幼少期から音楽に囲まれて育ち、7歳でピアノを弾き始め、10代前半にはすでに複数の楽器を習得していたと言われる。両親とも黒人だが、自伝的映画『パープル・レイン』で描かれた「父が黒人、母が白人」という設定は事実ではなく、本人いわく父方にイタリア系、母方にネイティブ・アメリカンの血が入っているという。

1978年、19歳でワーナー・ブラザースからデビューアルバム『For You』をリリース。ここから約40年にわたり、ポップ、ロック、R&B、ファンク、ソウルといったジャンルの境界を軽々と越境しながら、スタジオアルバムだけで39枚を発表する多作家として活動を続けた。1984年の『パープル・レイン』で名実ともに世界的スターとなり、以降も『1999』『サイン・オブ・ザ・タイムズ』など時代を象徴する作品を送り出す一方、レコード会社との契約トラブルから一時的に自らの名前を発音不能な「シンボル」に変更するなど、業界の慣習に抗い続ける姿勢を貫いた。ストリーミングサービスへの楽曲提供を長らく拒み続けたのも、自らの音楽を自分の手でコントロールしたいという強い意志の表れだった。

私生活では、1996年に最初の妻メイテ・ガルシアとの間に生まれた息子を先天性の病気で生後間もなく亡くすという深い悲しみを経験し、2000年に離婚。2001年に婚約者マニュエラ・テストリーノと結婚し、同時期にエホバの証人に改宗して信仰を深めていった。晩年は股関節の持病を抱えながらも精力的にツアーやレコーディングを続けていたが、2016年4月21日、自身のレコーディング・スタジオ、ペイズリー・パークで57歳の生涯を閉じた。死因は鎮痛剤の過剰摂取とされている。

Purple Rain(1984年)

mora
image
Purple Rain Deluxe (Expanded Edition)自身が主演した同名映画のサウンドトラックでもあり、全米アルバム・チャート24週連続1位を記録した、プリンスの人気と地位を不動のものとした代表作。第57回アカデミー賞の歌曲・編曲賞受賞作。第27回グラミー賞の最優秀映画・TV作曲賞受賞作

プリンス&ザ・レヴォリューション名義で1984年6月25日にリリースされた、自身初主演・原案の映画『パープル・レイン』のサウンドトラック。「Let’s Go Crazy」「When Doves Cry」「Purple Rain」といった楽曲を収め、翌1985年のアカデミー賞歌曲賞(劇伴音楽賞)を受賞するなど、プリンスを一躍世界的スターへ押し上げた代表作である。

当時の音楽シーンはMTVが全盛期を迎え、マイケル・ジャクソンの『スリラー』やマドンナの台頭に象徴されるように、映像と音楽を一体化させたポップ・アイコンの時代だった。プリンスもまた映画と音楽を同時に仕掛けることでこの潮流の中心に躍り出た一人であり、本作は全米だけで累計2500万枚超という驚異的なセールスを記録した。

私生活の面では、初めてバックバンドだったレヴォリューションを正式にクレジットに加え、盟友ウェンディ・メルヴォワン、リサ・コールマンらとの共同作業が本格化した時期にあたる。楽曲「Nothing Compares 2 U」の原型がこの頃レコーディングされているように、身近な女性たちとの関係が創作の源泉になっていたことも知られている。

Editor’s Note

通常盤、SHM-CDとどのバージョンのCDでも音質がスカスカで納得のいかないものだった。そんな時にハイレゾFLAC192.0kHz/24bitと出会い、長い旅に終止符が打てた。低音が重低音になり、音の密度が完全に上がったからだ。

但し、PREVIOUSLY UNRELEASED TRACKSは、オリジナルのパープル・レインの印象と全くことなるのでコレクターズ・アイテムと考えたい。

HIFIMAN『HE1000se』で試聴した感想

ドラムの動きがスピーディで歯切れがよくなっている。ストリングスがある曲は濃厚で壮大な音に変質している。

Around the World in a Day(1985年)

『パープル・レイン』のツアーが終わったわずか15日後、1985年4月22日にリリースされたアルバム。前作の大成功と過剰な注目に疲弊したプリンスが、あえてロック路線から距離を置き、サイケデリックで実験的なサウンドへと大きく舵を切った作品で、自身のレーベル、ペイズリー・パークからの第一弾でもある。

当時は前年のマイケル・ジャクソンやマドンナに続き、1985年夏の「ライヴ・エイド」に象徴されるように音楽が社会的なムーブメントと強く結びついていた時期。そんな中でプリンスは、あえてヒット狙いのシングルも事前告知も用意せず、サプライズ的に本作を送り出すという当時としては異例の手法をとった。売り上げは前作に及ばなかったものの、全米チャート1位を獲得している。

私生活では、絶頂期の成功と引き換えに増していく注目や消費のされ方に対する疲労感が色濃く、あえて内省的でパーソナルな作風に向かった時期とされる。スターダムの渦中にありながら、自分の音楽的好奇心を優先する姿勢がすでに確立されていたことがうかがえる。

Editor’s Note

私が最初にこのアルバムを聴いたのは、リリース時のレコードで前作『Purple Rain』のあとなので延長線上のアルバムか全く別の曲調になると考えていた。実際は後者で全くの別路線。シングルヒットしそうな曲もなくやる気のない曲ばかりだと当時は感じてその後聴かなくなった。

HIFIMAN『HE1000se』のお陰でなぜかまた聴きたくなったので、CDで購入したが流石はインポートCD。2025REMASTERとなっているがCDがむき出しでそのまま紙ジャケットに収納されていた。本当に音質が良くなっているのだろうかと疑心暗鬼で購入したが、結果は音圧は低いが悪くはない。この気怠い雰囲気は一度味わってしまうと何度も聴きたくなる。自分の世界にこもりたくなったら最高のアルバムになると思う。

HIFIMAN『HE1000se』で試聴した感想

音場が広いわけでもない音源なので、どのヘッドフォンでも大して差は感じられないだろう。逆に言うとオリジナル音源そのものが良くないと言える。『Purple Rain』の時もそうだったが、レコーディング機材が悪くなければあとはエンジニアの技量なので、プリンスはその点を見落としていたのではないか。お世辞には高音質と言える録音が初期の頃の作品にはない。

終盤3曲『Pop Life』『Ladder』『Temptation』はまずまずの音質だろう。

アップ・オール・ナイト・ウィズ・プリンス(2002年)

2002年の「One Nite Alone…ツアー」を記録したライブ作品群。ツアー本編を収めた2枚組『One Nite Alone… Live!』と、深夜のクラブで行われたジャム・セッション(アフターショウ)を収めた『One Nite Alone… The Aftershow: It Ain’t Over!』は、もともと同年12月17日に3枚組+ブックレットのボックスセットとして一体で発売されたもので、実質的にひと組の作品として扱われてきた。ジョージ・クリントンらがゲスト参加したアフターショウ盤では、ヒット曲に頼らずギタリストとしての実力を存分に見せつけている。なおこの2作は2020年5月、ラスベガスでのライブDVD『Live At The Aladdin Las Vegas』も加えたボックス『Up All Nite With Prince: The One Nite Alone Collection』として改めてリイシューされ、現在も一体の作品として流通している。

2000年代初頭は音楽ソフトのCD販売がピークを越えて陰りを見せ始め、Napsterなどによるデジタル音楽の違法流通が業界を揺るがしていた時期。メジャー流通の枠組みに縛られることを嫌っていたプリンスは、自身のレーベルNPGレコーズを通じて独自の流通・販売戦略を模索し続けており、本作もその一環として位置づけられる。

私生活では、1996年に息子を亡くした悲しみを経て2000年に前妻メイテ・ガルシアと離婚した後、2001年に婚約者マニュエラ・テストリーノと再婚し、同時期にエホバの証人へ改宗するという大きな転換期にあたる。ヒット曲に頼らない自由なセットリストで臨んだこのツアー自体が、信仰を軸に据えた新しい人生のフェーズを象徴する活動だったといえる。

Editor’s Note

DISC1を聴いた時あまりにも音質がいい上に音圧もあり正直驚いた。プリンスのアルバムは解像度が悪く音圧も低かったからだ。そしてピアノ主体の環境音楽ではないかと思うくらいシンプルで素晴らしい曲ばかりだ。いつものファンク調の曲ではない。このアルバムの中で一番好きな一枚だ。残り3枚はライブ盤でありながら高音質で収録されている。

その中で興味があったのは、DISC3にある『Take Me with U』『Do Me, Baby』『Nothing Compares 2 U』の3曲でライブ盤で聴いてみたかったので。スタジオ録音のものとは別バージョンで雰囲気があっていい。

HIFIMAN『HE1000se』で試聴した感想

HIFI SOUNDだがDISC1のような曲で威力を発揮する。ピアノの鳴らし方が他のヘッドフォンとは別格の鳴らし方をする。上品で音の減退が素晴らしい。無音の部分が漆黒になれるかどうかだ。

Originals(2019年)

mora
image
Originalsプリンスの膨大なレコーディング宝庫の中からリリースされるのが今回のアルバム『オリジナルズ』。15曲のうち、14曲が未発表トラックとなる。プリンスは、自身のヒット・アルバムをリリースする中、プリンス・ファミリーのザ・タイム、ヴァニティ6、シーラ・E、アポロニア6、ジル・ジョーンズ、ザ・ファミリー, そしてマザラティへの楽曲提供も進めていたのだ。

プリンスが他のアーティストに提供した楽曲を、自ら歌ったオリジナル・デモとして集めたコンピレーション。シーラ・Eの「グラマラス・ライフ」、バングルスの「マニック・マンデー」、ヴァニティ6の「メイク・アップ」など、他者名義でヒットした楽曲の“原型”14曲の未発表音源を含む15曲を収録し、2019年6月21日に発売された。

2019年は音楽市場がストリーミング中心へと完全にシフトした年で、ヒップホップやK-POPが世界的な存在感を強める一方、往年のアーティストのアーカイブ音源やリマスター盤の再評価も盛んに行われていた時期にあたる。2016年の死去以降、プリンスの遺産管理団体(エステート)による未発表音源の発掘・整理が本格化しており、本作もその代表的な成果の一つである。

私生活という観点では、本作はプリンス本人の存命中の出来事ではなく、死後3年を経て彼の膨大な音源アーカイブ(通称ヴォールト)から掘り起こされた作品である点が特徴的だ。生前は「アルバムの流れから外れた曲は収録しない」という強いこだわりを持っていたため、他人へ提供した楽曲の“素顔”は長らく本人以外知られていなかった。

HIFIMAN『HE1000se』で試聴した感想

『Jungle Love』のバスドラの沈み込みは最高クラス。ギターが鳴っている位置のバランスもいい。このアルバムで一番好きな『Nothing Compares 2 U』は、バスドラとベースの重低音がポイントになるが難なくクリアしている。そしてサックスのソロが入るところでギターと共演するが、ギターの音が非常に繊細な部分までしっかり表現しており、こんなフレーズを弾いていたのかと驚いた。

Originals(2019年)はハイレゾFLAC96.0KHzで購入しているが、別途『Nothing Compares 2 U』はハイレゾFLAC44.1KHzでも購入した。購入当時はハイレゾFLAC44.1KHzの方が低音がズシリと来るので、ハイレゾFLAC96.0KHzよりも音がいいと感じたが、今ではハイレゾFLAC96.0KHzの方がこれまで聴こえなかったギターの音も拾っているので気に入っている。

Timeless(2026年)

プリンスの没後10年にあたる2026年8月28日に世界同時発売された、キャリア全体を横断する初のコンピレーション。伝説の「ヴォールト」から発掘された未発表音源全10曲を収録し、19歳でレコード契約を目指してデモ制作に励んでいた1977年録音の楽曲から、亡くなる直前・2016年のツアー「Piano & A Microphone 2016」でのライブ録音まで、約40年に及ぶ創作の軌跡を一枚で辿れる内容になっている。

2026年の音楽シーンはTikTokやYouTube Shortsといった縦型ショート動画がヒットの震源地となり、Afrobeatsやラテン、アラビック・ポップなど地域発の音楽がグローバルに越境していく「グローカル」な潮流が目立つ時代。そうした状況の中で、ジャンルも時代も軽々と越えてきたプリンスの全キャリアを俯瞰する本作がリリースされたのは象徴的といえる。

私生活の観点では、本作もプリンス本人が生前に構想した作品ではなく、没後10年という節目に合わせてエステートが企画・編集した追悼的なリリースである。1970年代の無名時代から晩年のツアーまでを一枚に凝縮する構成そのものが、彼の生涯を振り返る「総括」として位置づけられている。

Editor’s Note

収録としては古い音源もあるのに、音質はhifiサウンド。アルバムとしては寄せ集めの曲集になるかもしれないが、コレクターズ・アイテムとしては悪くない。ヒット曲になりそうならプリンスもリリースしていただろう。ただ正直悪くはない。

  • 1〜9曲目:既発アルバムに未収録のまま「ヴォールト」に眠っていた、これまで一度も世に出ていない完全な未発表曲です。たとえば「With This Tear」はセリーヌ・ディオンに書き下ろした楽曲のプリンス自身によるオリジナル・ヴァージョン(セリーヌ版は1992年の彼女のアルバムに収録済み)、「Stone」は1995年録音の未発表曲です。
  • 10曲目のみ例外:「How Come You Don’t Call Me Anymore?」自体はプリンスが80年代に発表済みの既存曲(アリシア・キーズがカバーしたことでも知られる曲)ですが、収録されているのは2016年の最後のツアー「Piano & A Microphone 2016」でのライブ音源で、これも未発表テイクです。つまりこの1曲だけは「既存曲の未発表ライブ・バージョン」という位置づけです。

HIFIMAN『HE1000se』で試聴した感想

低音の切れがプリンスのサウンドには必要で、バッチリもたつくことなく再生している。「With This Tear」のピアノが綺麗であることとストリングスが入っていて壮大に鳴らしてくれる。この曲が一番好きかな。


TOPへ