ジョージ・ハリスン『Live in Japan』レビュー|クラプトンが誘った17年ぶりのステージ

ジョージ・ハリスンが1991年12月に日本で行ったツアーを収めたライヴ・アルバム『Live in Japan』(1992年発表)を、SHM-CD紙ジャケット盤で聴きました。

エリック・クラプトンと彼のバンドがジョージの背後を固めた、全19曲の2枚組です。ビートルズ時代の曲とソロ時代のヒット曲が並ぶ、ジョージの入門盤にもなる1枚だと思います。全体にポップ調に仕上がっていて、聴きやすいアルバムです。

きっかけはクラプトンの誘い|17年ぶりのツアー

ジョージにとって、1974年の北米ツアー以来、実に17年ぶりのツアーでした。1974年のツアーは評判が芳しくなく、その後は長くステージから遠ざかっていました。

そんなジョージを再びステージに引っ張り出したのが、親友のクラプトンです。クラプトンが「自分のバンドを貸すから一緒にやろう」と持ちかけたことが、この日本ツアーの出発点になったと伝えられています。

ツアーは1991年12月に行われ、全12公演でした。アルバムは大阪と東京の公演から録音されています。ジョージにとって日本は、1966年のビートルズ最後の来日以来の訪問でもありました。

完全にバックバンドに徹するクラプトンのバンド

このアルバムでいちばん感心するのは、クラプトンのバンドが完全にバックバンドに徹していることです。

クラプトンは世界的なギタリストで、自分のバンドを率いる立場の人です。ところがこのアルバムでは、ジョージの曲をジョージのために支える役に回っています。ツアー中にはクラプトン自身の曲を歌う場面もありましたが、公式に発売された音源にはそれらが収録されていません。つまり、作品としては最初から最後までジョージのレパートリーだけで構成されています。

バンドの顔ぶれも豪華です。

  • Eric Clapton(ギター、ボーカル)
  • Andy Fairweather Low(ギター、ボーカル)
  • Nathan East(ベース)
  • Chuck Leavell(ピアノ、オルガン)
  • Greg Phillinganes(キーボード)
  • Steve Ferrone(ドラムス)
  • Ray Cooper(パーカッション)
  • Katie Kissoon、Tessa Niles(バッキング・ボーカル)

これだけの面々が、ジョージを主役に据えて演奏している。ここに、2人の仲の良さが出ていると思います。「While My Guitar Gently Weeps」は、原曲でギターを弾いたのがクラプトン本人です。そのクラプトンが、このライヴでは弾き直したソロでジョージの曲を支えています。

もうひとつ感心するのが、クラプトンのギターワークが控えめなことです。ジョージのギターと比べられる場面を避けていて、そのおかげでアルバム全体がジョージの音楽として聴きやすくまとまっています。

ビートルズ時代の曲とソロのヒット曲の構成

全19曲のうち、ビートルズ時代の曲は次の9曲です。ジョージが書いた曲が8曲と、ビートルズがカバーした曲が1曲です。

  • I Want To Tell You
  • Old Brown Shoe
  • Taxman
  • If I Needed Someone
  • Something
  • Piggies
  • Here Comes The Sun
  • While My Guitar Gently Weeps
  • Roll Over Beethoven

ソロ時代の曲は次の10曲です。

  • Give Me Love (Give Me Peace On Earth)
  • What Is Life
  • Dark Horse
  • Got My Mind Set On You
  • Cloud 9
  • My Sweet Lord
  • All Those Years Ago
  • Cheer Down
  • Devil’s Radio
  • Isn’t It A Pity

ビートルズ時代の曲を散りばめつつ、ソロ時代の代表曲を取りこぼさない構成で、ジョージのキャリアを一晩で通して聴ける内容になっています。

流れも良く、CD 1は「I Want To Tell You」で始まり、1987年のヒット曲「Got My Mind Set On You」で締まります。CD 2は「Cloud 9」で始まり、「Roll Over Beethoven」で終わります。

SHM-CD紙ジャケット盤の仕様

今回聴いたのは、2017年3月8日に発売されたSHM-CD紙ジャケット盤(UICY-78147/8)です。

  • 完全生産限定盤、最新リマスター音源
  • EU初回盤LPをミニチュア再現した紙ジャケット
  • 日本初回盤CDをモチーフにした帯
  • カスタム・インナー・スリーヴとシールのミニチュア再現
  • 解説・歌詞・対訳付き

帯には「オリジナル・アートワークを再現しているため、ジャケット上の表記が実際の収録内容と異なる場合がある」という断り書きがあります。

まとめ

ジョージの曲を、クラプトンとそのバンドが全力で支える。『Live in Japan』は、2人の友情がそのまま音になったようなライヴ・アルバムです。

ビートルズ時代の曲もソロ時代のヒット曲もバランスよく入っているので、ジョージのソロ作品を何から聴けばいいか迷っている人にもおすすめできます。

参考

  • The Beatles Bible「Live In Japan」
  • Ultimate Classic Rock「George Harrison’s Last Tour」「George Harrison Live in Japan」
  • uDiscover Music「Live In Japan: A Joyous Celebration of George Harrison’s Career」
  • Genesis Publications「Live In Japan」
  • Where’s Eric!「Live In Japan」
  • Billboard JAPAN、タワーレコード(2017年SHM-CD紙ジャケット・リイシュー情報)

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