ドイツのバンドなのにドイツ語ではなく英語で歌っています。そして日本公演では日本語で荒城の月を歌ったりもします。風情があるというか本能的にいいと感じるものをどんどん取り入れていくバンドだったのでしょう。
アルバム『virgin killer』に至っては、アルバムジャケットが少女の全裸姿を採用して発売禁止にまでなっています。ジャケットを差し替えて再販売していますが。
そんなスコーピオンズですが、最初の出会いは40年以上前にNHK-FMの軽音楽をあなたにでした。名盤揃いですが私が好きなアルバムは『ウリ・ジョン・ロート』というギターリストが参加しているアルバムだけです。ツイン・リードギターでグイグイバンドを引っ張っていくアグレッシブさを評価する人もいますが、『ウリ・ジョン・ロート』の情緒豊かなギターに尽きます。
リズム隊、ボーカルともに一流の技術力です。LED ZEPPELINのドイツ版と言ってもいいでしょう。DEEP PURPLEは嫌いだけどLED ZEPPELINは好きだという人ならきっと気に入ってもらえるバンドです。
『ウリ・ジョン・ロート』は1978年には脱退しますが、『Pictured Life』『Speedy’s Coming』のような曲調のものをベースにバラードをやりたかったのかもしれません。『Taken By Force』あたりで既にバンドとの路線の違いを感じていたのでしょう。
それでは私が選んだ名盤をご紹介します。
狂熱の蠍団~ヴァージン・キラー
話題のアルバムにして1976年リリース。テンポの速いものからスローバラードまでバランスのとれた楽曲構成です。
ヒットした曲もありますがヘビーなブルースの感じの曲も素晴らしい。
- Pictured Life
- Backstage Queen
- Yellow Raven
電撃の蠍団~フライ・トゥ・ザ・レインボウ
1974年リリース。何故かオープニングの曲には売れ筋の曲を持ってくるのが凄い。ノリのいいキャッチーな曲で攻めてくる。ヴァージン・キラーのときと同じです。しかしまだ途上にある感が否めません。
- Speedy’s Coming
- Fly People Fly
- Fly to the Rainbow
In Trance
1975年リリース。これまでと違ってオープニング曲がさえない曲で始まります。2曲目のアルバムタイトル曲がシビアでクールな曲で驚かせられる。ベースラインがポール・マッカートニーを彷彿させる出来です。
ノリの良いキャッチーな曲がなくバラードにいい曲がある程度。パットしないながらもラストナンバーはこれまで通りいい感じのバラードで締めくくっている。
- イン・トランス
- 人生は川の如し
- ナイト・ライツ
Taken By Force
1977年リリース。墓場のアルバムジャケットが印象的ですが、浮ついた曲がなく大人のロックです。オープニング曲の『Steamrock Fever』はミドルテンポでサビの部分がタイトルになっているのがいい。じっくり聴きたくなるアルバムです。
タワーレコード池袋の店員さんが推薦していただけのことはあります。そしてラストナンバーに外れ無しというのが凄い。どうしてもバラードで締めくくりたいのかも。
- Steamrock Fever
- Your Light
- Born to Touch Your Feelings
TOKYO TAPES
これまでご紹介したアルバムのライブ盤にしてベスト盤です。荒城の月を上手な日本語で歌いきっています。相当練習したのではないでしょうか。このライブにはカバー曲も多く楽しめる構成です。
- All Night Long
- Speedy’s Coming
- Kojo No Tsuki
この記事を書いた人
ogoe 男性
福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。