Mark Turner のテナーは、語りすぎることを拒む。音を削ぎ落とし、構造だけを残すことで、かえって深い叙情が立ち上がる。彼の即興は、コード進行をなぞるのではなく、ハーモニーの垂直構造を再配置する知的な営みだ。“Ballad Session” は、その禁欲的な美学が最も純度高く現れた作品であり、バラードという形式を、静かに、しかし決定的に更新している。

プロローグ
AIおススメ第一弾となるアルバム。56歳になり概ね聴きたいまたは自分に合った音楽はすべて聴き終えたかなと感じていた時にCOPILOTに質問してみました。『夜中に山中をドライブしたとき、遠くに灯かりが見える光景を描いた音楽が聴きたい』と。何枚か推奨アルバムがありましたが、3枚に絞り込みました。全く感性が合わないものもあったからです。ヒット率は7割程度。
今回のアルバムはその中で一番気に入っているものです。テナーサックス奏者ですが、コルトレーンだけじゃないですね。
ジャケットの印象
アルバム・ジャケットというと定番はアーティストのポートレート写真。ワンパターンなのがつまらない。
音の特徴
まずこのCDは中古でしか入手できません。高音質盤はないですが、通常盤でもいい音質です。テナー・サックスの音色ですが、コルトレーンのような甘く切なくも、どこか押しのある音色とは違います。柔らかく静かでそして優しい。
Some Other Time
サックスもいいですが一番はピアノです。左チャンネルに録音されていますが、遠くで鳴っている感じだったり近くによって来たりとレコーディングエンジニアも素晴らしい。演奏も高音域の部分は透明感のある弾き方をしていて印象に残ります。
Nefertiti
この曲はフルアコのギターフレーズとドラムがサックスに対して競演しているような絡み方をするところが魅力的です。激しさはなく優雅さがあります。
Skylark
この曲はベースに尽きます。ラファエロは激しくハイポジションの音が耳に刺さりますが、自己主張が強い演奏者ではなくしかしソロでも十分に聴ける演奏です。サックスを邪魔することなく、音数も多くメロディアスな演奏です。あまりハイポジションを使用しないところが好きです。
雰囲気・世界観
『暗闇の中で灯かりを見つけた』とか『暗闇の海辺で月夜が眩しい』そんな表現が合うアルバムです。
おすすめの聴き方・シーン
仕事に疲れたとか対人関係に辟易しているとかに静かに最後まで聴いて欲しいアルバムです。聴き終わる頃には心が落ち着いていることと思います。このアルバムに退屈な曲や帳尻合わせの曲はありません。
総評
AllMusic評価の評価が最低ランクに近いですが、そんな悪いアルバムではないです。サックスはもとよりピアノ、ギター、ドラム、ベースともに一流にしてエモーショナルな演奏をしています。ジャズでいうところのSWINGはないですが、心が和む演奏です。
ギターの演奏部分で時折コードを鳴らすところが耳に残ります。
キャッチコピー
『全曲SWINGする曲はないですが、深い眠りを誘います』
AllMusic評価
| 2 | Poor |
| AllMusicスコア | 評 価 |
|---|---|
| Masterpiece | |
| Excellent | |
| Strong | |
| Good | |
| Average | |
| Mixed | |
| Poor | |
| Very Poor | |
| Awful |
エピローグ
そのアルバムが私にとっていいアルバムかどうかは聴いている最中の状況も大切ですが、実は聴き終えた後の余韻が最も大切です。余韻がないものは駄作と評価してしまいます。
このアルバムの評価が低いのは、恐らく他の楽器よりもマーク・ターナーのサックスが弱いからだと思います。弱いというのは弱々しいという意味です。全体を強力にリードするという演奏ではありません。電動のこぎりで2本の指を切断というニュースがありましたが2008年の出来事で、このアルバムのレコーディングは1999年なのでその影響はありません。
ほとんどの人が、ジャズを、マーク・ターナーのサックスを聴きたいと思って聴いているからそんな評価になるのでしょう。アルバムとしての完成度はかなり高いです。
次回はアルバムとしては推奨されたものは3枚でしたが、残りの2枚について書いていきます。共通したアーティストがいてファンになったので、その方の名盤特集も考えています。





